1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:01:18.80 ID:dAD7s8NR0

『卯月ちゃん』 

『あ、お疲れ様です!』 

『さっきのって、この間のステージの写真?』 

『はい! 私も、早くステージに立ちたいなって……』 

『そうねー。この間のシンデレラオーディション、惜しかったじゃない』 

『えへへ……。他にも色々受けてるんですけど、難しいです』 
『んー。でも卯月ちゃん、がんばってるわよ。同期の子、みんなどんどんやめていっちゃったのに』
『…………。いよーし! 私、もっとがんばりまーって痛い痛い痛い!』 

『えぇ!?』 



監督「カットー!」 

監督「卯月ちゃん、大丈夫!?」 

卯月「いてて……。すみません。足がつっちゃって……」 

凛「結構足伸びちゃってたからね」 

卯月「凛ちゃんってて……。親指を曲げるんでしたっけ?」 

監督「確かそれで直るはず……。直ったら同じシーンからスタートね」 

卯月「はい!」 


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:02:33.36 ID:dAD7s8NR0


『さん、にー。さん、しー。いっち、にー』


ガチャ


『?』


『…………』


『ん、ええ!?』


『ま、ママーー!!』


パサッ


『……島村、卯月さんですね』



監督「カット―!」


監督「先に調整中の紙が落ちちゃったね」


武内P「……すみません」


卯月「わ、私の声が大きかったから……」


凛「卯月、声量上がってるもんね」


監督「小道具が原因のカットはよくあるから大丈夫だよ。調整中の紙張りなおして撮影しなおそうか!」


武内P「……わかりました」



3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:03:54.82 ID:dAD7s8NR0


『美城プロダクション、シンデレラプロジェクト、プロデューサー……ぷ、プロデューサーさん!?』


『はい。シンデレラオーディション、貴女もお受けになったと思いますが、欠員が3名でまして』


『そのプロジェクトに私が?』


『はい』


『それってもしかして、デビューできるってことですか?』


『ええ』


『で、デビュー! 私、ついにアイドルに!』


『受けて、いただけますか?』


『もちろんです! 島村卯月、がんばります!』


カワイイ


監督「カット―!」


監督「ちひろさーん、声はいっちゃいましたよ?」


ちひろ「えぇ!? す、すみません、つい……」


監督「卯月ちゃんかわいいのはわかりますけど」


未央「うんうん。しまむーがかわいいのは大事だからね!」


卯月「そ、そんなに言わないでください~」



4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:05:15.36 ID:dAD7s8NR0


『こんばんはー!』


『いらっしゃいませ』


『わぁ~。どれにしようかなー』


『あ、素敵~』


『いちじゅうひゃく……。いちじゅうひゃく……。ちょ、ちょっと私には贅沢だったかな?』


『あ、こっちのほうなら。……やっぱりばらかなぁ。あ、こっちも素敵! んーでも……あーでも……。んー』


『何をお探しですか?』


ブフッ!


監督「カットー!」


加蓮「なーおー?」


奈緒「だ、だってあの凛が敬語で話してるんだぞ!?」


凛「……私だって、接客は敬語だよ」


加蓮「奈緒、監督に謝ろう?」


奈緒「う……。ご、ごめんなさい!」


監督「かわいいから大丈夫だよー」


凛「かわいい」


加蓮「かわいい」


奈緒「お、お前ら―!」



5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:06:51.03 ID:dAD7s8NR0



『部署への配属は、残り二人の選考後に一斉に行うことになります。申し訳ありませんが、島村さんにはしばらく待機していただくことになります』


『そうなんですか……』


『はい。引き続き、養成所でのレッスンをお願いします』


『わかりました。島村卯月、頑張ります!』


『他に質問は……』


『はい、CDはいつ出せますか?』


『はい。プロジェクトの全員がそろってから、それぞれの相性を見つつ、レッスンを行ってもらいます。CDデビューはそこからということで』
監督「カットカットカットー!」


監督「プロデューサーさん! セリフ違うよー! 企画中ですって言わないと!」


武内P「も、申し訳ありません……感情が高ぶってしまって……」


ちひろ「……もしかして、あの時本当はこんなことを言おうとしてたんですか?」


武内P「そ、そんなことは!」


凛「ふーん」


武内P「だ、だから違っ」


未央「そんなこともあるよね」


武内P「」



6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:08:23.19 ID:dAD7s8NR0


『ヒッグ……ヒッグ……』


『ちょ、ちょっとキミ!』


『?』




『少し、話を聞かせてもらえるかな?』


『別に……何もしてないよ』


『なんでもないってことは!』


『うぅ~ウゥ……』


『どうしたんだろう……』
『さぁ……』


『何もしてないってば』


『じゃあどうしてこの子はこんなに怯えているんだ!』


『一端、署のほうに来てもらえるかな?』


『えぇ、ちょっと……』


『あの……彼女の話を、もう少し聞いてみては……?』


『なんですか貴方……ひぃ!!』


『えっ』


監督「カット―!!」


監督「そんなに驚いたらだめだよ!」


「す、すみません……」


武内P「…………」


凛「プロデューサー、そんなに落ち込まないで」


武内P「で、ですが……」


「お、お姉ちゃん……あの人怖い……」


武内P「男の子も泣いています」


凛「あ、うん……うん。元気だしてよ」



7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:12:38.22 ID:dAD7s8NR0


『申し訳ありません……私のせいで、かえって面倒を』


『別に……私のほうこそ、巻き込んじゃって』


『あの、私、こういうものですが……。アイドルに、興味はありませんか?』


『! ……ない。なんだ、勧誘の人だったんだ。声かけたの、そういう狙いだったわけ?』


『いえ、そういう訳では』


『悪いけど、アイドルなんてわけわからないもの興味ないから』


監督「カット―!」


凛「えっ。監督、私どこかダメだったの?」


監督「凛ちゃん、ここのシーンで髪の毛ふぁさーってしないよ?」


凛「あ」


武内P「……横切るときに、そのようなことはしていませんでした」


凛「……言わないでよ」


奈緒「最近、ふぁさーってするのハマってるらしい」


未央「あーだからかー」



8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:14:38.70 ID:dAD7s8NR0


『あのさぁ……そもそも私の何をみて、アイドルになれって言ってるわけ?』


『……笑顔です』


『はぁ!?』


『し、渋谷さん?』


監督「か、カットー!」


凛「卯月の時はたくさん言ってたのに、私の時はセリフ通りってなんで!? おかしくない!?」


武内P「そ、それは……」


ちひろ「凛ちゃん。プロデューサーさんも、さっきのことがあってマジメにやろうとしているんですよ」


凛「そ、それはそうだけど……」


未央「わかるよ~しぶりん。プロデューサーさんに熱く語ってもらいたいもんねー」


監督「あ、あのーそろそろ撮影してもいいですか?」



9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:15:38.41 ID:dAD7s8NR0


『かわいいワンちゃんですね』


『あ、うん』


『あの、お名前聞いてもいいですか?』


『えっと……ハナコ』


『ハナコちゃんですか! 私は島村卯月っていいます! あの時は、お花を選んでくれてありがとうございました、ハナコちゃん!』


『え? ハナコは犬の名前で……』


『わあああ! すみません……』


ワンワン


監督「カット―!」


凛「ハナコ……おとなしく、ね?」


卯月「ハナコちゃん、よーしよし」


監督「ハナコちゃんがおとなしくなったら撮影再開しまーす!」


凛「ハナコ、落ち着いてね……」


武内P「……最近忙しかったので、うれしいのかもしれません」



10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:16:43.73 ID:dAD7s8NR0


『ありがとうございました。続いて、4番の方』


『4番、本田未央です! よろしくお願いします!』


監督「カット―! これにて一話のシーンは終わりです!」


「「ありがとうございました!」」


凛「ありがとうございました」


武内P「……ありがとうございました」


卯月「NGたくさんあって、大変でした……」


凛「初めてのドラマだからね。……ちょっと取り乱したりもしたけど」


未央「まだ1話なのに、結構大変だね……」


奈緒「そういう意味では、私たちはまだだから大丈夫だな」


加蓮「でもー、奈緒もNG出したんだからね?」


奈緒「あ、あれはその……」


ちひろ「何はともあれ、きちんと終わってよかったです」



11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:17:57.68 ID:dAD7s8NR0


卯月「そういえば、どうしてちひろさんがこの場に?」


ちひろ「じ、つ、は……。NGシーン集というものがありまして……」


「「「「「NGシーン集?」」」」」


ちひろ「そうです。今までのNGシーンを集めています」


ちひろ「それを、別の機会に公開するために撮影していたんです」


奈緒「さ、撮影してたのかよ!」


未央「ってことは、つまり……?」


ちひろ「はい。ここも撮影しています♪」


卯月「あの、プロデューサーさんは、知ってたんですか?」


武内P「…………ええ」


ちひろ「なので、後日楽しみにしていてくださいね♪」


凛「……ひどい」


後日、放送されたらしい


終わり



12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/01(木) 00:20:35.75 ID:dAD7s8NR0
アニメ1話がドラマだったらという想像で書きました




ちひろ「アニメ1話NGシーン集」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480518078/